2010年04月06日

罪と音楽

久しぶりに面白い本を読みました。小室哲哉著「罪と音楽」です。

初めに言っておきますが、僕は小室さんの作る音楽には全く興味がありません。おそらく今後も聴くことはないでしょう。じゃあ何故読んだのか?

それは『どうしてあんな犯罪を犯したのか知りたい』の一語に尽きます。

読む前は詐欺行為に至った経緯と逮捕や裁判の様子が中心となったエッセイみたいなものを想像していたんですが、それよりも彼の独自の音楽論がとても面白くて一気に読了しました。

例えば「ファミコンの誕生を経験した世代以降の人間には無意識にメトロノームが組み込まれている」とか「日本語の伝達速度の鈍さ」だとか。

ほんの少しでも音楽に対して愛情を感じている人なら絶対に読んで損はない一冊だと思います。

一方で年に10億円以上も納税していた小室さんがどうして自分の音楽著作権まで売らなければならないような事態になったのかに対しては納得のいく答えはもらえませんでした。

奥さんに対する見栄や自分の幼稚な浪費癖から起こったみたいな事を書いていたけど、『なんで奥さんのKEIKOは気づかなかったんだ?』『周りに止めてくれる人はいなかったの?』とつぎつぎ疑問が湧きました。でも本人がそう言ってるんだし裁判も結審してるので、もうこれ以上の事は出てこないんだろうな。

最後に小室さんは自分の復帰プランとして50曲同時発売のa-nineプロジェクトを挙げてるけど、正直これは失敗すると思う。話題性で言えばそこそこ注目を集めるかもしれないけど、ただでさえ音楽が売れない今の世の中で、時代遅れの小室サウンドに耳を傾ける人がどれくらいいるだろう。

ブックオフで木根尚登さんの本を見つけてショックを受けたそうですが、それでは小室さんは、TRFやglobeのCDが100円均一のワゴンセールに山積みになっている所を見た事は無いんだろうか。

僕はこの光景を見る度に、90年代のTKサウンドの異常な位の流行は一体なんだったんだろうと、切ないような腹が立つような不思議な気持ちになる。

今でも小室さんは「質より量」の考えなんだろうか。パッと咲いてパッと散る。そんな音楽も有りなんだろうけど、50曲作るよりも、せめて20年くらい聴き続けられる1曲を作って欲しい。
posted by 青木杉匡 at 17:00 | 兵庫 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | あなたの一日に、音楽をほんの少し
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